コスメのふるさとを訪ねて Vo.2 ~国産ハーブのスキンケアブランド「ハイランドレメディーズ」のガーデンへ~

アバター画像 style table 公式
2024.09.25

ハイランドレメディーズ(HIGHLAND REMEDIES.)とは

ハイランドレメディーズは、植物たちがもっているピュアなエネルギーをストレートに届ける、セルフケアのための国産ハーブのスキンケアブランドです。

イギリスで太陽暦や月のリズムに合わせて栽培するバイオダイナミック農法を学んだガーデナーの竹脇献さんが2020年に創設されました。

ヨーロッパでは古くから薬草として広く使われているカレンデュラとアルニカという植物を主な原料としています。

そんなメディカルハーブを日本で栽培し、製品にしているのが、style tableでも大人気のハイランドレメディーズです。

ハイランドレメディーズのガーデン見学

今回は、長野県上田市の菅平高原にあるハイランドレメディーズのガーデンを見学させていただきました。

標高約1,400m、自然あふれる高地で、原料となるカレンデュラやアルニカは栽培されています。

自然の中のハーブ栽培ガーデン

ハーブを栽培しているガーデンは、栽培のためにきれいに整備されているというよりは、自然の中でのびのびと育つことができる環境づくりがされている印象でした。

ガーデナーの竹脇さんの飼っているワンちゃんも山の中で駆け巡っていてとても可愛かったです。

カレンデュラはまだ開花前で、1輪だけ咲きはじめたものを見ることができました。

そしてアルニカは次のシーズンのための植え替えの準備中でした。

今年の夏の間は草の管理、秋になったら耕して、また来年のカレンデュラを作るそうです。

自然の中のハーブ栽培ガーデン

アルニカは高山植物で、もともとはもっと標高の高いところに自生するものなので、ちゃんと苗を作って草取りをしてあげないと日本では繁殖できない植物だそうです。

ただ、その分寒さや雨風にはとても強く、厳しい環境でも育つことができるようです。

また、ガーデンではこの2種類のハーブだけでなく、複数の種類の品種や雑草も間引き切らずに育てられており、強い植物が育つ源になっているそうです。

殺虫剤を使わないかわりに雑草も生えている中でしっかり育つ、強いハーブだけが生き残ります。

どこまでも自然にこだわり、草刈りしたものも積み上げて、また崩して積み直して空気を循環させる中で自然に発酵が進んだ、有機物が豊富な土を利用しています。

自然の中のハーブ栽培ガーデン
有機物が豊富な土

手作りのハーブ乾燥室

次は、乾燥室の見学をさせていただきました。ここでは、手摘みしたハーブをじっくり乾燥させます。

熱風を当てて乾燥させるようなことはせず、高温に晒すことなくじっくりと自然乾燥に近い形で乾燥させています。

除湿機や外気の温度の影響は多少あるものの、成分が残ったまま乾燥するように、温度を上げず、大体33度〜35度、湿度30%くらいで保つように管理されています。

じっくりと自然に乾燥するために、乾燥室は木材で湿度を吸収する仕組みとなっています。これは、低温で何ヶ月もかけて乾燥させる宮大工たちの技術を参考にして自前で作ったものだそうです。

乾燥する前の状態で購入し、なんと2年くらいかけて乾燥させた木材を、わざとザラザラした状態で使い、表面積を多くして吸湿できるように工夫されています。

また、日光の紫外線の影響を受けて劣化しないように、乾燥室は暗く保たれていました。

工場に持っていくまでにだいたい2週間くらい乾燥室で管理されるようです。

手作りのハーブ乾燥室

【インタビュー】ハイランドレメディーズにかける竹脇さんの思い

ガーデンや乾燥室を見学させていただいた後は、なんとガーデンからその場で採ってきたハーブで作ったハーブティをいただきながら、ハイランドレメディーズにかける思いを竹脇さんに直接うかがいました。

竹脇さんは、ハイランドレメディーズの創設者です。もともとはイギリスのシュタイナースクールで野菜作りをはじめ、バイオダイナミック農法や薬草栽培の農業に出会い、十数年の時を経て、2016年から原料のアルニカとカレンデュラを栽培し、日本で活躍されています。

【インタビュー】ハイランドレメディーズにかける竹脇さんの思い

竹脇さんの「バイオダイナミック農法」とは

化学的な農薬を使わないというのはもちろんなのですが、量子力学などが知られるようになる30年くらい前まではおまじないみたいに思われるようなものでした。

何が違うかというと、物の見方や観察の仕方が違います。

虫に食べられているとかそういう状態だけでなく、宇宙や重力の影響を受けている中で、どう植物の感受性で育っているのかということまで感じて、すごく引いたところから植物植物をよく観察します。反対に近くからもじっくり見ますが、ルールに気を取られて目の前の植物を蔑ろにしないよう、直感的なことでやっている部分が大きいです。

バイオダイナミック勉強するときにボスによく言われていたのは、よく観察しないさいと言われていました、自分の家族の誰かだと思って見てみなさい、そうするとわかってくるからということでした。

それで感じたことを、どんな馬鹿げたことでもやってみて、また結果を観察して、ということを繰り返す中で、バイオダイナミック農法ということがわかってきました。

社会で生きている人間だって季節で左右されるのに、動けない植物は、その場その場にものすごく集中して生きているはずです。

だから人間もそこまでのものの見方が大事で、そうしないと植物のことはわからないと思っています。

【インタビュー】ハイランドレメディーズにかける竹脇さんの思い

原料の栽培に菅平高原を選んだ理由は?

イギリスで農業をしているときにこういう薬草栽培の農業があることを知りました。そこではアルニカを栽培していました。

自分で日本で仕事にしていこうと思ったときに、ヨーロッパでしか経験がなかったので、自然とヨーロッパの品種しか頭に浮かばなかったのでそれを栽培することを決めました。

ヨーロッパは、日本よりも涼しいし乾燥しているし雨も少ないです。

ヨーロッパの品種を栽培するなら、なるべく原産地に近い気候がいいだろうと思ってイメージして選んだのが菅平高原でした。パートナーの父親の別荘がある関係で、若い頃からよく来ていたので馴染みがあったのです。

やろうと思ったことと、昔から知っている土地がちょうどマッチしたのも必然かなと思っています。

場所を決めたら、農業委員会とか農協とか観光局とか、様々なところに薬草を作りたいという話をしてまわりました。そうしている中で、いろんな人がいろんなことを教えてくれるようになって、菅平高原にガーデンを作り、ハーブ栽培を実現させることができました。

原料の栽培に菅平高原を選んだ理由
ハーブティー

(その場で摘んできたハーブでハーブティーも淹れていただきました!)

ガーデンをつくるにあたって一番大変だったことは?

特にそんなに大変だったことはありません。それは全部面白いこととしてやっているからだと思います。

もともと森だったところの土地を買って、木を切ってと、みんなには大変だったねと言われますが、今まで使ったことのないチェーンソーやユンボなどの機械や重機を使うのが面白かったので、自分としては全部新しいことで楽しかったから、そんなに大変な思いをしたイメージはないのです。

また、楽しんでやっているということは植物にもよく伝わります。

メディカルハーブは人を癒すためのものだから、それを扱う人の波動がよくないといけないと思っています。

夏に花摘みなどを手伝っていただいている方もいますが、気持ちいい時に来て、無理せず自由な時間に来てもらうようにしています。

いやなことを我慢してやってもらってもいいことがないので、幸せな気持ちで作業してもらって、そういう波動に包まれた素材を使って製品をつくりたいと思っています。

育てるときに意識していることは?

植物は何千何万株とあるけれど、一つ一つが一つの命だと思って取り扱おう、無駄にしないようにしようというのはすごく意識しています。

花を摘むというのは、植物が次の世代にいのちをつなぐ種をつくるための最終工程のところで人間が摘むということで、人によっては心が痛む人もいます。

ただ、勝手な考えかもしれませんが、薬用植物は人を癒す使命を持った魂を持って生まれてきている命だと思うので、それをベストな形で、人を癒すために使ってあげればそれでいいと思っています。

その使命を真っ当できるように、一つ一つの命として魂として扱って、最後の製品までつくるということはものすごく大切だと思うので気にかけてやっていることです。

国産ハーブ

なぜカレンデュラ・アルニカなのか?

まずは、イギリスで自分が使っていたということが一つです。

野菜を作る農業をしていたので、バイオダイナミックの農場だったのもあってか、周りの人がよく使っていました。ハンドクリームやマッサージオイルみたいなものは自然に使っていたし、すごくいいと思っていたものだったので、自分としてはあまり考えず行き着いたという感じです。

カレンデュラもアルニカも、どちらも日本ではなんで?と聞かれますが、ヨーロッパではとてもベーシックで重宝されているし、古くから使われているハーブです。

自然のナチュラルなものが好きな人の家には必ずあるイメージで、その人たちが旅行やピクニック、ハイキングに行く時には必ず持っていくような、すごく基本的なものなのです。

なので、製品をどういう風なものにしていこうということはいろいろ考えましたが、カレンデュラとアルニカを使うというところに関しては特に迷いませんでした。

また、あまり効果・効能はお伝えしづらいのですが、実はどちらも効能がはっきりしていて、製品としてわかりやすいのもいいところだと思います。

今はカレンデュラ・アルニカ中心ですが、ガーデンでは他のものも栽培しています。

そういうものも配合するような新製品も作りたいとは思っていますが、なかなか栽培が面白くて熱中していると、なかなか新製品をつくるところにはいけていないのが現状です。

ハイランドレメディーズが目指す未来は?

新製品を作りたいというところで、セントジョーンズワートやエキナセアを使いたいなと思っています。

ベースにするのはアルニカやカレンデュラかもしれませんが、それにプラスしてもう少し

特化したものを作りたいという気持ちがあります。

ハイランドレメディーズは栽培からやっているのが一番大きなことだと思うので、その部分が製品になったときにちゃんと現れていて、使った人が土や植物の力に癒されたり、使った人に喜んでもらえたりするものになればいいなと思っています。

style tableイチオシのハイランドレメディーズ商品

ハイランドレメディーズの商品は、男女問わず家族みんなで使うことができます。また、困った人に届けたいという想いが込められています。

ここで、style table でも人気のハイランドレメディーズの商品を2つ、ガーデナーの竹脇さんと、畑を耕すことから一緒にやっているパートナーの”ムーラン”さんのお二人のおすすめの使い方とともにご紹介したいと思います。

・アルニカマッサージバーム

アルニカを配合したマッサージバームです。

アルニカは、18世紀のヨーロッパで痛風やリウマチ、静脈瘤、静脈炎などの治療薬に使われていたとされている植物です。

関節が硬くなったり、足がむくんだりだるくなったりするようなときに、ふくらはぎや足の裏に塗るのがおすすめだそうです。

腰痛のときに塗ってみたり、寝る前に膝下に塗ってみたり、そんな使い方をされているそうです。

アルニカの本来持っている力を発揮できるよう、なるべく自生しているところの環境に近い育て方をしたい、植物がリラックスできるように育てたいと、大切に育てられたアルニカが配合されています。

・カレンデュラスキンケアバーム

カレンデュラは、ベビー用にもよく使われます。

カレンデュラスキンケアバームには傷を直すのに特化している青い色をしたヤロウ精油が配合されています。

カレンデュラの花はオレンジですが、このヤロウが青いので、このバームは少し青色になっています。

ご自身の肌を製品づくりに活用されている〜さんは、朝晩スキンケアバームのみを使っているそうです。

バームの方が乾燥しないので、乾燥からくるシワなどが気になる方にもおすすめですが、もし他の化粧品も重ねる場合はバームよりもオイルの方がいいかもしれないとのことです。

また、カレンデュラのヘアオイルもとてもおすすめで、トリートメントをせずにタオルドライ後に1滴くらいの使用で体感してみてほしいとのことです。もちろん、髪の毛を乾かした後でも、頭皮にもお使いいただけます。

あなたもコスメのふるさとを訪ねてみては?

今回、style tableの「コスメのふるさとを訪ねて」第2弾として、ハイランドレメディーズのハーブを栽培するガーデンに訪問させていただきました。

実際にガーデンを見学させていただいて、ハイランドレメディーズの商品を使うみなさんにぜひ足を運んでみてほしいと感じました。

大切にしたい自分の肌に使うコスメだからこそ、どんな場所でどんなふうに栽培されているのか、目で見て感じて、心を込めて大切に作っている生産者の方々の想いを受け取って欲しいと強く思いました。

ハイランドレメディーズの菅平高原のガーデンでは、毎年オープンガーデンを開催しています。

気になる方はぜひ問い合わせてみてください。

https://www.verdenatur.jp/open-garden-2024

ハイランドレメディーズの竹脇さん、”ムーラン”さん、中江さん、 貴重な経験をさせていただきありがとうございました!

ハイランドレメディーズのハーブ農園